すごいな、お前はアメリカ人か?

最近灘高の伝説の教師、橋本武先生の本を読んでいます。
小中学生に関わるようになってから、国語教育の大切さを痛感しており、7年前には国語専門塾で講師を始め、勉強させてもらっています。
そもそも、すべての教科の基礎は国語であり、国語ができるなら、他は後から自分で勉強できるので、不登校でも心配する必要はありません。
この場合の国語とは、相手の言いたいことの要点を掴むことができるということであり、国語のテストで点数がよいとか、漢字が書けるという意味ではありません。
(但し、漢字の学習ば脳にとてもよい影響があるのでやったほうが絶対に良いです。)
今橋本先生の著書で勉強させていただいているのは、小説の読み方と古典の勉強方法です。非常に参考になったので、ぜひ活用したいと思っています。

さて、ブログのタイトルは、橋本先生ではなく、もう一人の灘高の伝説の英語教師、キムタツこと木村達也先生のお母さんの言葉です。
英語を教え始めた頃、たまたまネットの連載で読んだ先生の教授方法がとても参考になったので、当時の先生の著書を全部古本で購入し、手に入らないものは図書館で借りて読みました。
その中で彼の自伝的な話があとがきに記載されていて、当時読んだほとんどのことの詳細は忘れてしまったにも関わらず、一つだけ本当に心に残ったエピソードがありました。どなたにも参考になると思うので、ご紹介いたします。

キムタツ先生は今は英語教育の大家で、生徒たちからも絶大な信頼を得ていますが、英語の勉強を始めたのはみんなと同じ、中学1年生でした。
すぐに英語の中間試験があり、初めての英語のテストの点数は、60点だったそうです。
ご自身ではあまり嬉しくない点数だったようですが、それを持って帰って母親に見せると、
「お前はすごいな!初めて勉強して60点も取れたのか。お前はアメリカ人か!」
と褒められたそうです。(「なんでやねん」と返事をしたかは不明です。)
それで英語が好きになり、大学受験前までは順調に成績を上げていったようです。そのあとはいろいろ紆余曲折があり、伝説の教師と呼ばれるに至るまでになるのですが、その元となったのは、「母の言葉」とおっしゃっていました。

このエピソードは非常に考えさせられるものです。もちろん母親だけでなく、周りのすべての大人はその子が自信を持てるよう、自分でやろうと思えるように言葉に気をつけなければいけない。自分の一言がその子の人生を変えてしまう可能性がある、ちょっと怖いエピソードです。

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